ブックレビュー社/建築を自分の頭で考え批判的に読んでいくための用語480語を構造的に配置。これはただの用語集ではない言葉は多くの場合,ほかの関連性のある言葉や対立性のある言葉と連携されたり対比されたりして使われる。本書では,『「認識」や「方法」をそなえるべき建築家が,「もの(の秩序)」を媒介として,「社会」や「幻想」に対峙している』建築シーンで必要となる言葉を「社会」「幻想」「ものの秩序」「認識」「方法」の5つの枠組みでグループ化している。それぞれの枠組みには9つのカテゴリーがあり、それぞれのカテゴリーに約10語の言葉が列挙されている。●本文ではこれら10語の言葉について解説されている。例えば「ものの秩序の枠組み」には「カオス」「環境」「空間」「建材」「ゴミ」「時間」「身体」「生命」「内部/外部」というカテゴリーがあり,「空間」には「絶対空間」「ユニバーサル・スペース」「ISO」「建築的プロムナード」「動線体」「ラウムプラン」「スペース・ブロック」「パッサージュ」「ライトスペース・モデュレーター」「日本的空間」という言葉が並んでいる。●用語集というよりは一種、現代建築論とでもいうべき解説は読みごたえがあって面白い。 (フリーランス・ライター 土田 武彦)(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.) ●内容(「BOOK」データベースより)現代建築を対象にした建築用語約480語を収録した用語集。「社会」「幻想」「ものの秩序」「認識」「方法」の5つの枠組みを9のグループに分けて構成。巻頭にキーワード・マトリクス、巻末に索引と主要人名索引がある。