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2013.02.15

ミニマムな小屋

Casabella 819いただきました。どうもありがとうございます。

いただいた文献はこのブログでなるだけ感想を書くようにこころがけている。しかしかなり不義理している。今年は基本的にそうしようと自分にいいきかせたりする。

特集は「ミニマムな小屋」(日本語版では極小建築とある)である。日本の極小住宅などとどうちがうのだろうか、などと気軽にみてみた。

カナダのニューファンドランド島にある、ワンルームのスタジオなどである。いずれも水辺ちかくに、ほんとうに小さなしかし暖炉もあってコージィな小屋である。なにもそこにPCをもちこんで仕事しなくとも、別荘か釣り小屋としてつかってみてもいいなあ、なんて思ったりする。

こうした建物と自然との関係はじつに微妙だ。たとえばシーランチなどは、やはり仲良しコミュニティのリゾート村といった感じだ。ル・コルビュジエのカバノンは、街が近いこともあるし、別荘なら近くのそこかしこにあるし、つねに人の気配がするし、そんなに孤独になって自然と対峙しているという感じはしない。やはり地中海というのはそういうものだ。

しかしカナダという新大陸の海辺だとそうはいかない。じつは車で10分でスーパーマーケットがあるかもしれないと思っても、写真からは荒涼とした孤独感がつたわってくる。そこで連想するのが、修道士の孤独な修行を描いた中世の風景画である。そこでは自然はほとんど親和的ではなく、人間はあくまで孤独である。・・・そんな荒涼ぶりもいいなあ、なんて思う。

なにしろいま学科の卒業設計発表会の昼休みで、30分後からいよいよ講評である。優秀だとはいえまだまだ強度のある体験は薄い若い学生たちは、すり込まれたもの、必死で脳細胞のなかに吸収しようとしたもの、丸呑みした消化不良のもの、偶然つかんだすばらしいもの、いろんなものがごちゃまぜで提出されている。それらと対決するまえに、カナダの荒涼を見ておくことは良き準備だといえるだろう。さてそろそろである。

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