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2010.11.23

ウラ学園祭

週末前後、ぼくの大学は学園祭であった。その機会に仕事をたばねて出張する。神楽坂の某私大も学園祭であった。

神楽坂での会合。建築家、同窓の先輩教授、同級生教授といっしょにある企画の打合せをする。2時間とちょっと、ビール飲みながら議論。学会の支部をとおして、だれそれ経由で、こう話しをつけて、うんぬんで戦略をねった。一歩前進したぞ、という感触を共有した。それから話しはいろいろ脱線し、当世において建築論争がないのはたんに論争を組み立てないからだというご批評をいただいてそれもそうだと思ったり、電子メディア/紙メディアの話しをしたり、インド建築について興味をもっているのかとか、最近取り壊された有名建築家自邸の写真をみたり、最後は研究室や同窓生たちの昔話しやけっこう生々しい今話しなど、云々。それから飯田橋から西に向かって歩く。

故有名教授を偲ぶ会に出る。恩師ではあったが、研究室はちがっていたので、遠慮がちに記念シンポジウムを拝聴する。半世紀にわたるある学問史ダイジェストのようなものであった。学問は社会と連動してどんどん変化してゆく。よくぼくは学生に、学問や社会は10年から20年でまったく変わるから、学生のときに普遍的なことを勉強しなきゃいけないよと説教するのであるが、それはもちろんぼく自身への戒めでもある。それからロビーで歓談。25年ぶりの人が何人もいて、感慨深い。かわっていないなあ。

丸の内に移動して、三菱一号館のうらのビルへ。一号館ウラの中庭は小粋なカフェなどがあり、とてもおしゃれなデートコースといった感じ(そういえば東京駅の軸線にある大通りもペイブを改修して公園のようになっていて、成熟した印象であった)。2階のレストランで、建築家と編集者と夕食+ボジョレ・ヌーボー。業界的話題をひとしきり話し、非常勤講師の相談もする。目下の宿題である、建築論争、電子書籍、建築アーカイブ、建築写真などについていろいろ教えてもらう。仕上げは帝国ホテルのバー。業界話はつづく。

出張からもどると、大学はまだ学園祭であった。構内でゼミをする雰囲気ではない。そこで自宅に学生たちを呼んでゼミをする。ぼくの研究室は完全なる自由主義なのだが、問題は、自由にされた学生たちがかならずしもワクワク感をもって自分のテーマを発見できるわけではない、ということ。まあこれはある意味、永遠の問題でもあるのだが。それからいわゆる「研究」を始めた学生たちは変な日本語を使うことにいつも悩む。「本研究では・・・とするものとする」などという、いつの時代かもわからない文語体をどこで覚えてくるのかなあ。文系学会の学術論文のほうがよっぽど口語的でカジュアルである。だからぼくは「史学雑誌」の巻頭論文の最初の頁を音読したのであった。無駄のないよい文章であった。

いろんな人に会っていろんな話しをすると、バラバラのようで、共通点もあったりする。たとえば神代雄一郎の巨大建築批判と、コールハースのビッグネス論はもちろん、同じことを論じている。しかし議論の発展のさせかた、落としどころの計算は、まったく違う。論じることの難しさは、そこにあるのだろう。

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