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2010.05.08

ヴェネツィア・ビエンナーレ

今年は妹島和世さんが総合ディレクターであるのは周知であるが、海外メディアでその情報が流れていた。

http://www.lemoniteur.fr/159-culture/article/actualite/703047-la-biennale-de-venise-2010-invite-le-public-a-rencontrer-l-architecture

では、妹島さんが5月7日、パリ・イタリア文化センターで「People meet in architecture」をテーマとする旨の説明をした、とあった。招待された44人の建築家・芸術家・ペイザジストが44のパヴィリオンでめいめいの展示をする。彼らは自分たちの解釈で、全体テーマを展開する。中国代表のWangue Shuは、竹構造を観客に体験させる。インドのムンバイ・スタジオは建築アトリエの日常を再発見させる。日本のアトリエ・バウワウは東京のバーチャル街路に模型を展示しそここを歩かせる、オランダのランドスケープアーキテクトであるピエト・オウドルフは出会いの庭園のなかで休息させる・・・。などなど。

具体的なことはわからないが、展示者と観客の距離がかなり小さいようなことを想像する。妹島さんは展示/鑑賞の距離を根本的に変えようとしているとみうけられた。金沢でのご経験もあるに違いない、と推測する。

ビエンナーレのHPも見よ、とあったのでそちらものぞく。

http://www.labiennale.org/en/architecture/exhibition/iae/

People mett in architecture:では参加者はみずからをキュレートするので、多くの視点が提供される、と妹島さんが説明している。

Architecture Saturdays:という企画。毎土曜日に講演会・討論会が開催されて、これまでのそして今年のディレクターが、35年にわたるビエンナーレのレビューもかねて、いろいろ議論するらしい。

Destination Biennale di Venezia. Universities meet in architecture:というのはビエンナーレと大学の協定のようなもので、ようするに大学もビエンナーレ見学をゼミや演習のようなものに活用して、学生に単位を与えられるようにするらしい。2時間のセミナー(会場内のどこか)をふくむ3日間の見学、というから、1日5コマとして、全部で15コマ。なるほど成り立つな。

この大学との協定であるが、イタリア国内ではすでに30大学と80学部に提案し、15の前向き回答を得ているし、国外では300大学にコンタクトをとって25の前向き回答を得ているらしい。

パオロ・バラッタのコメント:「新しいビエンナーレの誕生ですね。参加する外国館がホストとなり、いろんな大学がビジターになる。建築や関連分野という名のもとにあたらしい連盟がうまれ、同時に、あらたに建築ビエンナーレは教師や学生にとって巡礼地となるという新しい刺激がもたらされます」ということです。

・・・記事をひろい読みしていると、高階秀爾先生がおっしゃていたことを思い出した。ポンピドゥ・センターをつくることで、フランスは現代アートの中心をアメリカからいくぶん奪い返したが、アートの大衆化をもおしすすめることとなった。

パリの建築・遺産都市はコンテンツの充実もさることながら、見学者の全世代化が印象的である。多くの子供たちも熱心に見ているのが、つよく印象に残っている。さらにヨーロッパ内では建築ミュージアム戦争があるようで、ビエンナーレもそのあたりは意識しているであろう。

先日見た「建築はどこにあるの?」展は、中身そのものもそうだが、誰がみるのであろうか、という点が興味深い。建築関係者しか見ないのでは世界の時流とはすこし違うが、子供もたくさん来るのであれば、日本における建築展も新時代をむかえたといえるであろう。

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