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2010.04.25

地域圏建築史学コンソーシアムはいかがですか

昨日の土曜日は熊本に日帰りした。時間節約のため地下鉄+特急+タクシーで、ドアツードアで片道2時間の移動である。当地でほぼ11時間をすごしたことになる。

建築史学の専門家たちの集まりに出席したのであった。下働きをさせていただいたので、ひさしぶりに参加した。建築学会の大会は、教育的目的もあって、毎年参加している。建築学会は例外的に巨大な学会であるが、それにくらべてこういう小規模な学会もアットホームでいいなあ、とつくづく思ったものであった。設立のこと、稲垣先生らが奔走していたことをおぼろげながら見ていたものであったが。

研究発表会、総会、シンポジウム、懇親会とほぼフル出席した。

懇親会で、他大学の先生たちといろいろ話し合う。大学全体がリストラ傾向であるので、建築も、さらに建築史学も、ダウンサイジングが徐々に進行している。もちろん地域差もあって、首都圏はそうはいっても機関は多く多士済々であるが、地方はひとり数役といった状況もある。なかなか大変である。そういったなか九州・山口地区は、苦しい状況ではあるがやりようによっては活性化もできるかもしれない、と思ったものであった。

ヨーロッパなどでは珍しいことではない。コンソーシアムである。

九州・山口地区はけっこう建築史学の専門家は多い。しかしひとつの大学のなかで、ひとつの講座などとして研究組織化されていることは稀である。つまり研究者は、各大学で孤立していて、集団として組織としてのパワーは形成されないような仕組みになっている。それをコンソーシアムの手法で、束ねるのである。

九州新幹線がもうそろそろ全面開通する。かりに福岡を中心とすると、鹿児島まで1時間30分、熊本まで30分、佐賀・鳥栖まで15分、北九州まで17分、広島まで1時間である。新幹線のない長崎や大分まではやはり2時間以上かかるから、すこし難しい。しかし日帰り圏で、かなり多くの専門家が会議をもてるようになる。

コンソーシアムは、大学・講座と学会の中間レベルのもので、ゼミ、授業、研究発表会、研究(費)戦略会議、学会支部的活動、はたまた懇親会、大学横断的FDなどいろいろできる。なにより学生が、複数の専門家に会って彼らを師とできることがよいと思われる。

問題は大学そのものの意識の遅れである。財源難から非常勤講師を削減するなら、こういうコンソーシアムはいいはずである。しかし地方の大学コンソーシアムは、単位互換などの基礎的なものにとどまっていて、メンバーが固定的であり、なにが目的かよくわからない。

コンソーシアムは、専門性や目的をはっきりさせて、分野ごとにちがう大学メンバーによって構成されるべきである。A学、B学で構成は違っていてよい。

参加者としては、自分のいる都市がどうこうではなく、こうしたシティ=リージョンなり、地域圏に自分が所属しているという意識をもつと良いのではないか。教師も学生も意識が変わってくるであろう。地域圏は海外にも展開する可能性がある。そのうち釜山も友達にできたりして。なかなか面白そうである。

それからこういうことは、雑用の多い年寄りには難しいので、助教クラスの若手が中心になってやるべきである。だれかやらないかなあ。

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