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2010.03.09

オスカー・ニーマイヤー《ミナスジェライス州政府庁舎》

ブラジルのミナスジェライス州。州都ベロオリゾンテ市 にある《Tancredo Neves州政府庁舎》が完成した。WEB版ル・モニトゥール誌記事によれば。

メガストラクチュアである。巨大なアーチ橋のようなの構造体があって、そこからスチールの吊り材によって空間がつり下げられている。フロアは4層で、その長さは147メートル。

ある意味で、巨大橋梁という20世紀的なものと、均質空間というもうひとつの20世紀的なものの組み合わせである。こうした発想は60年代には顕著であった。50年後、ふたたび復活したのか。建築家の頭のなかにありつづけたのか。

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オスカー・ニーマイヤーはことし102歳だそうである。ル・コルビュジエの弟子筋(事務所勤務ではなかっが影響を受けた)であり、共産党員でもあった。代表作はブラジリアであり、これは世界遺産に1987年にすでに登録されている。

「自由な曲線」。とりあえずこれはモダンアート系とはいえるであろう。しかし本質的には、南アメリカ大陸のその大陸的スケールに拮抗するために描かれる曲線であろう。ランドスケープとの対話をぬきしにてはそれは語れない。つまり大規模構造物が描くこの自由な曲線の背景には、大陸の地平線と水平に広がってゆく大地があるのである。

それは20世紀の構図とパラレルである。

つまり人間は均等に配されたスラブとスラブのあいだの、均質な空間にいる。ここでダス・マンとなる。しかし建築パッケージは古代的なものとなる。

日本も終戦後、一時期、古代的なイマジネーションが復活した。弥生・縄文ということもそうであった。民衆、民主主義の源像として古代的なイメージが喚起されたことがあった。

ニーマイヤーもそれを意識したはずである。さらにこの「古代的な」源像は、西洋の文脈では、結局のところ「古代ローマ的なもの」に収れんしてゆく。そう考えればこの州政府庁舎のアーチも凱旋門にように見えなくはない。

ブラジリアをそのような古代都市イメージの観点からみてゆくと、また別の印象をもつことができる。これは、いわゆるモダニズムではなく古代的だ、ということではない。いわゆるモダニズムのなかにさまざまな文化表象がすでにプリントされている、ということなのである。

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