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2009.09.14

アスピリンと「ル・グラン・パリ」

パリに着いて、まず医者にあった。

・・・・お歳は?どこにお住まい?観光客ですか。フランス語完璧ですね。熱がでてから10日ですね。最初のお医者さんの診断のとおりだと思いますが。べつに新型インフルでもないし。薬を処方してもらってまだ4日目?もうすこし様子をみなきゃあね。こちらにきて。息吸って、はいて。咳してみて。「あー」っていってみて。耳がいたい?覗いてみましょうか。はいよろしい。まあなんらかのウイルスにやられたのは確かですね。でもウイルスといたってたくさんあって、未発見のままとくに危険がないので問題にもならないものが多いですね。毎年2万種類の新種のものが発見されるんです(聞き間違いでなければ)。ところで1000mgのアスピリンは強すぎます。熱は下げるでれど、病気そのものは押さえないし、病気と戦う身体をむしろひっぱっています。こうしましょうか。抗生物質は処方箋を書きます。このとおり。でも今のんでいる抗生物質が切れるころでも症状が改善されなかえれば、もういちど来てください、そのときに処方箋をお渡しします。アスピリンは身体にやさしいものを処方します。500mgです。それからビタミンCですね。こんど来るときも電話してください。よいご旅行を。・・・

ナントの医者はちと不安であった。なので再度診察してもらった。おしゃれな医者であった。500mgのアスピリンもよく効いてくれた。夜中、寒さで目が覚めることもなくなった(アスピリンが切れると体温が2度も平気で上昇するのである)。マレ先生、ありがとうございます。

元気が出てきたので、日曜日であったが、シャイヨ宮にゆく。「ル・グラン・パリ」展である。

「京都以降」のメトロポリス再構築をめざすサルコジ大統領の肝いりであり、文化・通信省が担当しているプロジェクトである。

まずRogers&partners, London school of economics, ARUPらが全体スタディをしていた。これは展覧会のいちばん良質の部分であろう。パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京などの世界都市が、それぞれの国と比較して、どのような環境性能を発揮しているか、が示される。当然のことメトロポリスは環境効率がよい。などなど。

そののちパリ・メトロポールのための10原則が示される。多核化、郊外の一体化などであるが、ぼく的に興味がひかれたのは、行政区画をどうするか、というスタディである。これはいろんな議論があって決まらなかったし、この展覧会においてもひとつの案ではなくいくつかの案を提案しているのみである。選挙権者50万人ずつでまとめる、旧パリはそのままで同程度の人口の自治体にまとめる、など4案が示されている。

1860年にオスマンが周辺市町村を統合して大パリを再編成したとき、既存の市町村の境界は無視され、地理的にのみか、社会的にも再編成されることとなった。1960年代、時の建設大臣は、保守的なパリと、革新的な周辺市町村の対比をさらに強調するため、パリ内外をさらに分断しようとした。1980年代、社会党の大統領ミテランは、郊外の革新系自治体の連携をはかるような大パリプロジェクトを検討させる(しかし成果は少なかった)。

そしてサルコジ大統領の大パリは、どのような政治的党派制と結びついているのであろうか?もう左右の構図はふるくて、ほんとうに新しい世紀にはいったのであろうか?環境、持続可能性がいちばん前面にでているので、大政翼賛会的にもみえてしまう。

招待された10の建築家チームの案は、どうもいただけない。ポルツァンパルクも、オート・フォルムの頃のほうがよかった。ヌーヴェルも急に優等生になった感じ。グランバックも、これでは1960年代案の再録ではありませんか。MVRDVになると、もう。ノーコメント。

グランバック案は、世界のメトロポリスは海洋性都市であるが、パリだけは内陸性なのでハンディがある。だからパリとル・アーブルまでをリニアな都市網としようというもの。パリ、ルーアン、ル・アーブルを高速鉄道で1時間で結ぶのだそうだ。ボルドー、ラ・ロシェル、ナントとみてきて、フランス王国は海洋性都市をことごとく去勢してきたのではないか、といいたくなるのであるが。パリは内陸性メトロポリスでいいのではないか?

この「国際的討議」はもちろん、起爆剤であって到達点ではないようだ。

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