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2009.09.20

フランス建物建築家(ABF)の権限が国に戻される?

今日は日曜日。すこしお勉強してみようかな。

WEB版モニトゥール紙の記事(2009年9月18日16:02アップ)によれば、上院は17日、いわゆるグルネル2法の第14条を改正により、文化遺産都市計画法典を改正することを可決した。これによって国とABFが対立するばあい、国が最終決断をすることになる。

ちなみにフランス建物建築家(ABF)とは、いわゆる歴史的建造物主任建築家がおもに特定建物の保存や修復を担当するのにたいし、歴史的建造物の近傍の町並みを管理し、面的な管理維持について責任をもつ。一般的に歴史的建造物主任建築家は建築ベース、ABFは都市計画ベースとされるが、後者もフランス政府公認建築家の資格と、シャイヨ宮の保存スクールを修了していることがたいがい必要とされる。ABFは現在280名ほどいる。各県に配置される。基本的に文化省という中央政府管轄であり、中央集権的だが、各県に配置されることで地域特性をよく把握できる、実質分権的ともいえる。このあたりはかつての地方長官、県令、などとすこしにている。

しかしこのABFの権限がちいさくなる。もともとABFそのものが国家の代理人的な立場であった。こんどは国が、代理人よりも自分のほうが権限があるよ、と言い始めたことになる。代理人が自律的になって、うるさいことをいわないようにするためである。

記事によれば;

ABFの権限変更と平行して、エコロジー建築推進のための都市計画法典が改正され、建造物のエネルギー性能を明らかにすることが義務づけられる。

今後ZPPAUP(建築都市景観遺産保護区域)のなかでは、国は、ABFが建設プロジェクトに反対することを阻止できるようになる。遺産法典に導入されたグルネル2法14条では「建設許可を発行できる市長ならびに行政当局ならびに請願者と、ABFの意見が対立したばあい、その地域圏における国代表者は、ABFの意見にとってかわることのできる勧告を出すことができる。請願者は、建設許可が拒否されたばあい、訴え出ることができる。・・・・2ヶ月以内にその地域圏における国家の代表者がはっきりした表明がないばあい、その訴えは受け入れられたとされる・・。」とある。

・・・このような方式は、すでにある。歴史的建造物として指定登録されている建物や庭園のなかにあって目に触れられる。しかし事前宣言への反対なしの決定、建設・整備・取壊し許可を与える決定には、今日、文化担当大臣の合意のみが必要であるだけである。しかしグルネル2法の14条によって、これももはや必要でなくなる。手続きの迅速化を狙ったこの改正で、2ヶ月以内に地域圏における国家代表者が異議をはっきり表明しないばあい、訴えは認められたことになる。

グルネル2法の14条により、文化担当大臣の合意は、保護区域(歴史的・審美的・自然的性格により保存する価値有りと見なされるので、都市計画法典によって制定される区域)内での建設について反対なしの決定がなされたばあいは、取り下げられる。さらに地域圏における国家代表者が明確な意見を表明しなかったばあい、2ヶ月たてば、訴えは受け入れられる。

などなど。

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