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2009.05.17

シルク・ドュ・ソレイユを見たのでサーカスについて社会勉強

大型連休のあいだにディズニーランドにいきました。竹中工務店が設計したシルク・ドュ・ソレイユ・サーカス場に見学させていただきました。建物だけかとおもったら演し物《ZED》も見せていただきました。いや感激。というわけでWEBであちこちのぞいで社会勉強をする。

フランスはブルターニュ地域圏にサン=マロという港町がある。昔からの航海都市である。そこにジャック=カルチエ(1491年頃誕生)という航海士がいて、要するにコロンブスみたいな人であった。彼は1534年に最初の航海で、カナダのセントローレンヌ湾(フランス人にとってはサン=ロランSaint-Laurent湾)を発見し、1541-42年の航海ではセントローレンヌ川沿いにいよいよ本格的に植民地建設に着手した。これがケベック州の発祥である。当時の国王はフランソワ1世で、カール5世との勢力争いのため植民地経営に力をいれたのであった。

なぜ昔の話をするかというと、シルク・ドュ・ソレイユなるサーカス団は1984年ケベックで創設されたが、それはジャック=カルチエがカナダ(ケベック)に到着した450周年を記念するためであったからだ。財政援助をしたのはケベック州である。

そののちカナダのいろんな地方、アメリカ(1987年)、イギリスやフランス(1990年)、日本(1994年)に巡業を展開する。巡業(ツアーショー)と常設(レジデントショー)の二本立て。ちなみに《ZED》は常設場である東京ディズニーランドのためのオリジナルコンテンツである。

音楽担当はルネ・デュペレ、ブノワ・ジュトラ、ヴィオレーヌ・コラディらで、オリジナリティーの高いもの。世界各地の音楽を取り入れつつアレンジしたもの。

サーカスといっても動物は登場しない。起承転結のはっきりしたストーリーはないが、道化もふくめ、狂言回し的なパーソナリティもいて、ストーリー性のようなものはある。全体がひとつの夢か幻想のようにある種の構造をもっている。その枠組みのなかで、ジャグリング、力技、空中ブランコ、バトントワラーなどの高度なパフォーマンスが展開される。オリンピックの体操から勝負を取り除いたらこうなるのであろうか、といいような感じである。

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・・・ところでぼくはサーカスなどまったく興味はなかったし、ステレオタイプなイメージしかなかった。別に子供のころ、悪さするとサーカスに売られるよ大人に脅かされたこともなかったし、サーカスの子はいっぱいお酢を飲んで柔らかい体にするのだという説も信じることもなかったのだが。しかしパリで19世紀の建築家イトルフの作品をみていて、そのなかに《パリ冬のサーカス場》(1852年:写真上)があることはずっと知っていた。

サーカス場だから円形平面である。様式はグリーク・リバイバル。ギリシア神殿のフリーズが行進する人びとを描いたレリーフで埋め尽くされていたように、軒下や壁の帯には、赤地に白で、さまざまな演技者たちのレリーフが彫られている。

イトルフは北駅やいくつかの教会堂を建設しており、それほど有名ではないかもしれないが、19世紀のパリをつくった人である。19世紀はスペクタクル建築の世紀であった。オペラ、各種劇場、展覧会、百貨店、温室・・・などと列挙してみると、常設のサーカス場があるのは自然なことと思える。巡業のため放浪する特殊職業人といったのはほんとうにステレオタイプのようだ。

動物の調教のみならず、フィジカルなパフォーマンス、筋肉技、道化、音楽、舞台装置、などと必要アイテムを列挙してゆくと、これもオペラ、バレー、演劇のような総合芸術なのである。フランス語のサイトでは担当ミュージシャンのことをやけに詳しく解説しているのもうなづける。

《パリ冬のサーカス場》も160年間、興行主は交代することはあっても、ずっと興行をおこなっているらしい。「道化」もとうぜんひとつのジャンルであって、スター道化を集めたのがここであったようだ。

ところで戦後の演し物のひとつに《Cirque du Soleil》なるタイトルがあったそうだ。パリとケベックの関連があるのかどうか、興味ぶかいところです。

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投稿: sirube | 2009.05.17 17:04

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