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2008.11.24

すでに文化財となったコールハース《ボルドーの住宅》のDVDが出るらしい

コースハースが建設した「ボルドーの住宅」をテーマにした、文献とDVD《koolhaas houselife》が出る。製作元はBêka filmsという、イタリアの会社らしい(実態は知らないので、不正確かもしれません)。制作者はLouise LemoîneとIla Bêkaである。

Dvd_book_2

Bêka films→ http://www.bekafilms.it/index.html

フィルム→ http://www.koolhaashouselife.com/html/the_dvd_book.html

前者Louise Lemoîneは、「シュド・ウエスト・グループ(南西グループ?) Groupe Sud Ouest」の亡くなった会長Jean-François Lemoîneの娘である。そのルイーズが製作するのであるから、すこし自伝的である。

なおGroupe Sud Ouestは1944年創業。新聞、週刊誌、フリーペーパー、テレビ、電話、インターネットなどを経営するマルティメディア会社である。地方を旅すると、空港や駅や書店でこの社名をたびたび目にし、その存在感を感じる。

会長の妻エレーヌが、レムに依頼してできた。1998年に竣工して、メディア公開された。交通事故でハンディキャップを負った会長のために、エレベータが家の中心を占めていた。

竣工して今年で10年だが、すでに歴史的建造物の追加リストに登録されたという。なんどでもいうけれど、築後50年たたないと文化財かどうか判断できないといったり、淘汰が歴史の審級などといって、文化的に無知な人びとが建物を取り壊すことを正当化するという矛盾に気がつかない日本の専門家は、こういうことをどう理解するのであろうね。制度の違いというより、これは文化そのものの違いなのだけれど。

それはともかく会長は2001年に亡くなる。妻にとっては思い出深い。しかし子供にとってはそうでもない。

フィルムのなかでは、スペイン人メイドの日常的な家事仕事の生活として描かれている。さらにこのメイドが、水のトラブルと戦う様子が映し出されている。コールハースもインタビューということで登場するらしい。メイドがきわめて旧式の掃除機などローテクで家事に取り組むのにたいし、コールハースはハイテクをつくした設計の住宅なのに、という困惑した建築家の立場。そのコントラストがおもしろいらしい。雨漏りを糾弾する日本の施主とはちがって、建築家の「独創」に、なかばあきれつつ、なかば共感している、そういう施主家族の表情が想像できる。

ぼくにとっておもしろかったのは、ウェブ版ルモンド紙の記事である。このハイテク住宅(日本式には忍者屋敷的住宅とでもいうべきだろうね)は、ジャック・タチの《モノンクル(ぼくのおじさん)》を思い出させる、という。そういえばこの古い映画にも、1960代的な未来派的住宅が登場し、いろいろ機械仕掛けに満ちていたり、円い窓が巨大ロボットの両目のように見えたりもする。フランス人から見れば、ボルドーの住宅も、こうした既視感のあるもののようです。そうした意味では、機械仕掛けと生活、というこれも永遠のテーマに繋がっているようで、フランス人にとっては好むも嫌うも、こうした文脈が用意されているのは確かなようです。

オランダ建築家による20世紀の最後を飾る傑作住宅も、どの文化から見るかで、まったく評価の中身が変わってくるようです。

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