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2008.11.21

デジタル・ヨーロッパ図書館Europeanaが11月20日からアクセス可能

ウェブ版ルモンド紙の記事(2008年11月20日付)です。グーグルに対抗して、ヨーロッパでは図書館などのデジタル化に力をいれている。デジタル・ヨーロッパ図書館のプロトタイプが、11月20日、ブリュッセルで立ち上がった。

図書館はEuropeanaと名付けられている→ http://dev.europeana.eu/

サイトはひとつでも、多言語であり、27カ国の図書館、ミュージアム、アーカイブなどを束ねる。記事ではアレクサンドリアの図書館に喩えている。プロトタイプはすでに2007年、フランス、ポルトガル、ハンガリー人のスタッフが立ち上げている。もちろんグーグルに対抗するのが目的。グーグルはすでに700万の書籍をデジタル化したというし、Google book searchで検索可能。

とりあえずヨーロッパ側としては、11月20日から200万点(書籍、絵画、写真、動画、音楽)がインターネットで閲覧可能。フランスでは、国立図書館、国立公文書館、音楽院、などがグループをくんでとりくんでいる。Europeanaのチームは、オランダ王立図書館を本拠として活動している。このデジタル・データベースはヨーロッパの21カ国語でアクセスできる。いまのところすでにデジタル化したものは、ヨーロッパの総量の1%にすぎないという。しかし2010年には1000万点に達する予定。

ヨーロッパ委員会そのものは財政出動はしない。しかし予算枠を提示するのみ。国が、お金をだしたり、公共と民間のパートナーシップを調整する。たとえばフランス政府は、国立文献センターに800万ユーロを提供すること、などが模範例。フランスは52%財政支援としてトップの貢献。

・・・といったようなことです。

日本の主要メディアはまだあまり報道していないが、これはたいへん重要なことです。

新しいデジタル図書館は、これまでの膨大な知の蓄積に容易にアクセスできるということだけではないらしい。ユーザーがコンテンツをアップロードできるようにもなるという。もちろん検閲があるかないか、いろいろ悩ましいでしょう。しかし自分の研究成果などを、講評したい、永遠に残したいという人には、大学や学会、出版社などに頼らなくてもいい、道筋ができます。もちろん出版社、学会などは審級としてその機能が消えるわけではありません。

また英語圏、ヨーロッパ語圏でそれぞれ核融合的に知が展開するなら、日本も同じようなことをしないと、遅れるのは必至で、文化、芸術、科学技術はどんどん遅れをとることになるでしょう。そして日本の場合は、他のアジア諸国と歩調をあわせたほうがいいのでしょうが、やはり国(政府)が中心にならざるをえない。

とはいえこれからの学者は、自宅書庫に文献を抱え込まなくてよくなって、たいへんよいことです。すでに絵画は、かなりそんな状況に近い。いろいろな図書、データベース、デジタルコンテンツにアクセス可能として、それは万人に平等な状況になるか?

ぼくは格差はますます広がると思う。

そこで問われるのは「読み」の能力です。といっても識字率のことではない。リテラシーがあるかないか、が大切になるでしょう。言外の意味、行間の意味、をよみとれる人間と、そうでない人間の差は、ますます広がるような気がします。

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コメント

■都会の隠れ家 有料の民間図書館、読書家に好評-従来からある施設にも社会的イノベーションが必要か?
こんにちは。デジタル図書館は、意義深いものになると思います。図書館には、もっといろいろなタイプがあっても良いと思います。たとえば、最近東京に人気の有料の図書館ができています。年会費が多少高めだとも思いますが、ゆっくりくつろぐという意味ではその対価と考えればそう高くはないのかもしれません。現在公立の図書館が存立の危機にあるところも多いようですが、これらの図書館は自立できているということですから、素晴らしいことだと思います。ただし、この民間図書館、やはり立地の良いところなどに限られると思います。NPOなどにして、自らも稼ぎながらも、自治体からの補助などあれば、会費も低め、あるいは無料に近いもので、これらに近いような図書館ができるのではないかと思います。NPOであれば、地域に密着しているので思ってもみないもかなりユニークなものができあがる可能性があると思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2008.11.25 11:07

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