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2008.06.12

メゾン・カレの隣にN・フォスターが建設したカレ・ダールなんか思い出した

梅雨の合間の晴れ、夏の予感。夏といえば、南仏、地中海・・・・。である。そこでニームのことなど思い出した。

▽メゾン・カレ。ニームといえばこれである。ほぼ完全な姿で現存する数少ない古代ローマ神殿。紀元4~5年の建設。アウグストゥス帝の息子と孫に捧げられたものである。

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18世紀の新古典主義の時代に再注目された。ユベール・ロベールはこれを題材にして絵を描いた。神殿の影響はフランスはおろかアメリカにも及んだ。

▽1798年、神殿のとなりに劇場が建設された。革命期の、新古典主義の建築である。この時代の革命精神にとって、古代ローマの建築はよいモデルであった。だからこの劇場は、メゾン・カレへのオマージュであったはずだ。しかし1952年の火災。それ以降は、ほっておかれたようだ。

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▽この劇場は取り壊され、ノーマン・フォスターが1990年代にカレ・ダールを建設した。

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新古典主義の石の列柱ではなく、鉄の軽快なものである。列柱により都市空間を制御する。この古代の思想を、フォスターは完全に受け入れた。

しかしこれは前身建物のコロネードとおなじ発想である。それによって都市空間を制御するという考えも。しかしもちろんフォスターのコロネードのようが、敷居がひくく、フレンドリーである。

しかも屋上テラスがあり、神殿を最高のアングルで眺めることができる。

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中央階段。神殿の軸船にしたがって、上下移動する。ここでは古代の秩序が支配している。

地下の閲覧室。神殿は基壇の上にのる。閲覧室は地下に。という対位法。

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昔からいろいろ見てきたおかげで、2000年前の古代神殿、200年前の新古典主義、今のハイテク建築を、比べて考えることができるのだが。

200年前の立派な劇場も、東洋の某国なら立派な文化遺産であろう。しかし40年間使われることなく、新しい文化施設に道を譲った。近代の勝利、といえるのだろうか。いえない。

新古典主義は、古代へのオマージュであった。しかしこの主役たる古代神殿は、この程度のオマージュでは満足できなかった。さらなる発展したものを求めた。それがフォスターのハイテク建築である。

しかしハイテク/古代の関係は、ここでは、新/旧でも、伝統/近代でもない。全体の秩序を支配しているのは圧倒的に古代であり、フォスターはここでは古代的骨格のなかでお行儀よく振る舞っているにすぎない。

伝統の継承とか、歴史的コンテクストへの適合とかではない。建築における「永遠なるもの」がここにはたしかにあるのである。

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