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2008.05.21

カーンの住宅に買い手みつからず、など

バーチャル朝刊のひろい読み、ななめ読みです。

080520kahn1_2 >>>>ルイス・カーンが設計した住宅がいまだ買い手みつからず。---この前の続報。マーガレット・エシェリク邸(1961)。シカゴのオークションハウスである「ライト」(専門は20世紀のアートとデザイン)はロケーションがよくないからかなあ、とため息。この住宅は彫刻家の邸宅。1992年にAIAフィラデルフィア支部からランドマーク・ビルディング賞が与えられている。現在のオーナーは健康上の理由で手放すが、住宅を大切にしている新オーナーを希望している。ライトは専用のオークション・ウェブで宣伝し、プロ写真家による写真集まで出した。懸念はブローカーが買い取って、住宅を取り壊すこと。ライト氏はそうならないと希望している。ちなみにライトはケーススタディハウスNo.21やブロイヤーのウォルフソン邸などモダニスト住宅(注:モダニズム住宅とはいいません)を転売した実績がある。(AR2008年5月20日

---教訓。自由主義市場における住宅遺産の継承のためには、良心的な、モダニズムに理解と共感を示す代理店が必要ということ。アメリカの20世紀住宅は、施工もよい例が多いから、建築家物件でもあり受賞歴もあり、さらには建築史の教科書にも載っているのだから、投資と思って買ってみて、それでメンテもちゃんとしたらアメリカ人に感謝される、などということのために、一肌脱いでみるお金持ちはいないのだろうか。ちなみに日本の近代住宅、あるいはモダニスト住宅というのはかなりアメリカが手本だから(アメリカ屋なんてのもあったし)、日本文化の根源のひとつを相続するということでもあるのだが。

D3s1ranvcrennes_2   >>>>レンヌのアルベール・バイエ広場に金属の雲、誕生。「ユニヴェール」なるアトリエ(景観・都市計画が専門)が設計。強い視覚的要素が「異化作用」をもたらす、という主張。(Le Moniteur 2008年5月20日)  -----レンヌでなければとらげないのだが。いまどきの造形。国際的なレベルではとくによく評価すべきものとも思われないが。でもまあ、19世紀の鉄骨建築である市場建築とか、これを都市的文脈における特殊解とさせない、造形の文脈というものが、たしかにある。

>>>>公共建築への民間資金の適用についての議論。日本でいうPFIに近いような、でもすこし違っていそうなPPP(英語的にいえばパブリック・プイベート・パートナーシップ、もちろん言語はフランス語だが)は、フランス産業に伝統的な同業組合主義の根強いメンタリティのおかげで、苦戦しているのだそうな。(Le Moniteur 2008年5月20日

>>>>ベルリン・フィルで火災。演奏家にも観客にもけが人はなかった模様。クラウディオ・アバドの特別指揮のコンサートも予定どおり行われるとか。(Le Moniteur 2008年5月20日

>>>>大学都市のオランダ館が修復費用の不足から、募金を募っている。大学都市とはパリ南部にある留学生学生寄宿舎団地。アメリカ館、日本館、スイス館(ル・コルビュジエ)、ブラジル館(同じくル・コルビュジエ)などたくさんの学生寮がある。オランダ館は、W.M..デュドック設計で、1938年完成、2005年歴史的建造物に指定。修復工事は2009年から2012年に予定されている。(Le Moniteur 2008年5月16日

1 >>>>マドリッドに、緑の塔(注:緑の党ではなく緑の塔)。こういうのが3つあって、ツタ系の植物を生やし、街路樹が生長して木陰を提供できるようになるまで、15~20年間、地域の環境を保つという代役をつとめるのだそうだ。だから構造はテンポラリーなもの。2007年に新人建築家賞があてえられたという。Ecosystemaurbanoというのがマドリッドを本拠とする建築家・デザインからなるアトリエの名前。(Le Moniteur 2008年5月13日)  ------これがほんとうに緑に覆われたら壮観だろうね。都市内の巨大なトピアリというところだろうか。上にはソーラーパネルも見える。なにか卒業設計を洗練させたような外観だが、これがうまくはまるのは、交差点や道路がロータリー方式であったり、都市という背景の違いがあるのだが。

>>>>日本のテレビから。これは周知のことでしょうが、若者のマイカー離れ、アルコール離れ、ということは消費者マインドの急激な落ち込み、が顕著なのだそうな(まるで山寺からの発言ですが)。この現象は、20代と30代前半にあてはまる。これは識者や経済界がさかんに懸念を表明していた、将来危惧すべき消費者の姿です。つまり消費したがらない消費者。これが世代的、一時的なもので終わらず、構造的にそうなってしまったら、日本の将来は暗い。世代のメンタリティは変わらない。団塊は老人になっても団塊。

これは社会学でいう典型的な「再回帰性」の現象になるかもしれない。つまり悲観的な観測が、現実に反映されてしまい、ますます悲観的な状況を生む。すると住宅産業をエンジンとした昭和の終わり、消費社会の終わりはすでに始まっていて、かなりの段階を進んでいると考えるべきでしょうね。なんとかの隠れ家とか、カーサなんとかとか、そんなの見てるのはもうおやじ、なのですね。カーンの住宅を買おうなんていうのは60代以上の人にしかつうじないおとぎ話でしょうね。

つづきは随時。

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ソーラー発電は太陽光発電とも呼ばれ、文字通り太陽の光(ソーラー)を利用して電気を作ることです。家ごとにソーラー発電システムを取り付けて電気を作り出すのです。簡単に言えばソーラー発電システムを取り付けると、家が小さな発電所になるのです。 [続きを読む]

受信: 2008.05.31 22:27

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