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2008.05.15

イームズ夫妻の記念切手など

おはようございます。バーチャル朝刊斜め読みです。

ARサイトの2008年5月14日付けの記事「チャールズ・アンド・レイ・イームズの記念切手」。6月17日はチャールズ・イームズの100回目の誕生日。そこで合衆国郵便局は記念切手を発行するのだそうだ。1枚42セントが16枚セット。代表作が選ばれている。ほとんどイスだ。でもケーススタディ・ハウスのひとつであるイームズ自邸もスタンプとなっている。チャールズはそこで1949年から亡くなる1978年まで、レイはやはり亡くなる1988年まで過ごす。

ぼくは2000年の夏にこの住宅(+オフィス)を見にいった。こんだけカジュアルでもいいんですよ、って感じの住宅だった。そういう意味では、アメリカ的というよりあくまで西海岸的なのであるが。それを普遍化して解釈しようというのは、どうかな。

記事には背景も書かれている。合衆国郵便局を代表してDerry Noyesが、こうした形式の記念切手はまれなことで、小売業者もイームズの名前は今の世代のデザイン愛好家たちに再発見されつつあるのだそうな。

ぼくがアメリカの切手のことなど知っているはずもないが、なんでも政府には、郵便切手にアドバイスをする市民委員会があるらしい。そこでたくさんの提案がなされるとか。なんかすごい。で、前述のDerry Noyesさんは、ご両親がイームズ夫妻の友だちで、子供のころから知っていて・・・。彼女にとってイームズデザインは「戦後アメリカの夢」だったのだそうな。でイームズオフィスは今は孫によって運営されていて・・・・。

などとかかれると、たしかに、かつて学生だったぼくにとってイームズの名前はすでに神話であり、ふたりは神格的な存在であった。でもこう書かれるとすごく等身大だ。

ちなみにビル・ゲイツは将来、記念切手になるのだろうか。そのときイコンとなる図像はあるのだろうか。アイコンで動かすPCを発展させた功労者にとってイコンはない、なんてことになったらちょっと悲劇だね。

Le Moniteurサイトの記事によると、サン=ゴバンがイギリスのGibbs and Dandy社を買収するのだそうだ。5400万ユーロで。ただGibbs and Dandyの名前は、ロンドン周辺地区では歴史がありよく親しまれているので、そのまま使い続けるそうだ。なので記事のタイトルには、サン=ゴバンが「建材商の看板を買収」した、とある。日本もデパートはそんな感じですが。ちなみにこのサン=ゴバン建材運搬部門はいまや24カ国に7万人の従業員をかかえる。サン=ゴバン・グループ全体だと54カ国、20万人。

なぜサン=ゴバンかというと、これは1665年にコルベールが設立したガラス会社なのです。当時はヨーロッパでガラスといえばヴェネツィアの独占であったが、コルベールはその牙城を崩そうとしたのであった。その後、有力製鉄会社を傘下にし、世界的な企業に成長した。1981年にミテランが国有化したが、1986年にふたたび民営化。ルーブルのガラスのピラミッドをつくった、といえば存在感が感じられようか。

フランスは企業が国策のための駒として使われている。こんなところは基本的には、日本と似ているのだが。

ちなみに東京は汐留にジャン・ヌーヴェルが設計した高層建築では、セリグラフィー入り強化ガラスがつかわれているが、これもサン=ゴバン製である。

そのほかヴァンシ会社が売上げ目標堅持、ブイグが中央アジア最大のモスク建築を契約、スペインの電気会社とアメリカのジェネラル・エレクトリク社とが風力発電機200台の契約。2010年には北アメリカに設置されて300メガワットを発電するのだそうだ。

2011年にUIA大会が開催される。日本のアーキテクト資格がほんとうに国際標準にすりあわさるのかどうか、知らない。日本の政治・産業界には、建築設計が産業を牽引してゆく、という発想が希薄であるとの指摘がつねづねある。ヌーヴェルは汐留で設計料をせしめて外貨獲得に貢献しただけではなく、サン=ゴバンのガラスを使うことで、おおきな利益をもたらした。設計は色と形のみならず、仕様を決める。

この基本的な構図が日本ではつたわりにくいのは、日本の建築雑誌は基本的には、写真誌であることだろう。それと建設新聞のような業界紙は別の世界のように存在している。ほんとうはひとつのものの多面であるのだが。それが読者にはストレートに伝わってこないような組み立てになっているのであろう。

うん。そろそろ目がさめてきたぞ。

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