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2008.05.06

ボルドー歴史地区とストラテジー、とくに住宅ストック改善プロジェクト

ボルドー市のサイトからのつづき。

仕組みがよくわかりますが、「混合経済会社」は日本の3セクとは似て非なるものなで、補足します。「混合経済」とはフランス特有の、資本主義と社会主義の混合であり、民間企業と公共セクターがおなじプラットフォームで協同するシステムです。だから国は、産業のある部分を国有化しつつ、ある部分は自由にやらせることができる。あるいは国が、自由競争のなかの企業のひとつのように振る舞うことができる。「混合経済会社」とは株式会社であり、その資本の51~85%が国、地域圏、県、コミューンからによるもの。1980年代の地方分権化からさかんに創設された。パートナーシップという言葉が一般化する以前から、このようにその基盤ができていた。

ということでWEBによれば。

この歴史地区は、ボルドーにとっても、大都市圏にとっても重要。その文化的、商業的、余暇的価値を高めることは都市圏全体に貢献する。

第三次産業を優遇する。ボルドー全体の12%にあたる3000人の雇用がここ。この数年でサント=カテリーヌ通り整備(FNAC, GO SPORT, Sephoraなど入居)、サン=クリストリ・センター再整備(Monoprix)、ボナック街区からメリアデクまでの商業圏の拡大など、商業空間が整備された。

文化政策。いろいろな祝祭(novart-bordeaux, ワイン祭り、川祭り)、文化・大学機能、国立演劇センターの支所、ボルドー国立音楽院の改築、美術学校の分校など。

建築・都市遺産のためのさまざまな措置。(1)ファサード洗浄運動。1977/2000は川岸のファサード。2001/2005はトゥルニ広場からはじまりいくつかの重要拠点で展開。(2)ライト計画。いわゆる「ライトアップ」だけではないが。モニュメントはライトアップ。歴史地区では統一的に銅ランタンをつるしたりしている。(3)都市美装。看板、広告の整理。室外機を隠すなど。(これはどこでもある取り組み)

近隣サービス施設。日常生活を向上させるため、市は近隣サービス、近隣商業機能を発展させることに取り組む。地域諸団体、NPOなどを市が援助。ボルドー商業工業会議所と市がおこなった2004年の調査。それによってストラテジー、行動プラン、が練られた。投資、活性化プログラム、配達条件などについて。またInCitéは2010年までに商業・手工業空間として5000㎡を整備する。家族生活。市は、学校の改装、活動センター設置を終え、子供戦略(La Petite Enfance)に力を注ぐ。4カ所に保育園(2001~)など。

環境と都市の管理(歴史地区では、清掃と騒音対策が、とても大切)。ゴミの分別(tri)と清掃。地下分別ゴミ捨て箇所を増やす。またトラム沿線では、各戸でのゴミ収集をすることで、ゴミ箱が路上に姿を表すことを阻止する。また張り紙除去などにも力を入れる。さらに、(1)すべての建設許可は、建物内にゴミ箱置き場の設置を前提とする。(2)商業施設、レストランでもゴミ箱置き場の設置が要求される。産業・商業廃棄物処理の契約を済ませていることが求められる。(3)夜間の騒音防止、安全にもさまざまな措置が。

近隣都市空間の整備。川岸空間、トラムにちかい広場、さまざなまな主要広場、の整備、など。

住居と遺産は、パートナーシップにより維持・発展されている。

歴史地区内では住宅ストックの改善がなされている。その目的は、(1)今快適である住居を維持して、社会的多様性を守ってゆく、(2)不動産商品を多様化し、不動産購入を促進しつつも、自由家賃・中間家賃・社会的家賃(つまり安く設定された)の賃貸住宅をつくり、(3)家族、若いカップル、・・などに新しい住居を提案する。

InCitéは建築遺産を活用し、ニーズに応えられる住居を整備する。(1)不動産購入のプログラム、自由家賃・中間家賃・社会的家賃(つまり安く設定された)の賃貸住宅のプログラムを、きめこまかく多様化させる。(2)大・中規模の住居を優遇し、小規模住居は一定数保つ。

低品質住居を改善する戦い。これは現状において劣悪であるのみならず、そうなる可能性のある住居にたいする対策。

人口をこの歴史地区にひきとどめておくために・・・。InCitéによる再入居調査。さらに各種パートナーで構成された委員会がある(Centre Communal d’Action Sociale, Direction Départementale des Affaires Sanitaires et Sociales, Direction Départementale de l’Équipement, Caisse d’Allocations Familiales, travailleurs sociaux…)

InCitéがここの唯一の整備機構である。このInCitéは、2002年に市がサインした公共整備協定の枠組み内で設置された混合経済会社である。計画の推進者。不動産所有者、借家人、住宅業者・専門家などの仲介者。都市・建築遺産の視点から、施工される住宅改修工事などを監視する。不動産プログラムの多様性を確保する。こうして全体計画の一貫性を確保する。・・・このInCitéの介入方法は、(1)不動産所有者への勧誘、助言、資金援助、仮再入居、最終再入居。(2)公益事業。不動産所有者をこの公益という枠組みに従わせる。(3)密度の高すぎる建物・ブロックの再構造化。

OPAH(Opération Programmée d’Amélioration de l’Habitat et de Renouvellement Urbain 住宅改善・都市刷新のためのキャンペーン) が不動産所有者にリフォーム融資などをする。このOPAHは、2003年に市がサインした協定によりできたもの。1300万ユーロが、リフォーム融資、住宅関連施設(ゴミ箱置き場、自転車置き場、駐車場など)整備などにあてられる。 2008年までに760戸の改修。うち自由家賃485戸。中間家賃65戸。協定家賃145戸。社会政策的家賃(PST家賃)65戸。

歴史地区の整備はパートナーシップでなされている。パートナーとは具体的には。(1)国。ANAH(国立住宅改善協会)。ボルドー都市共同体。供託金庫。これらはプロジェクトを共有し、財政出動をする。(2)ジロンド県議会。アキテーヌ地域圏議会。これらは上記を補完する。(3)ボルドー市、InCitéの直近には。住宅専門家。公証人。地理学者。建築家。不動産経営者。財産管理者。不動産経営者。など。彼らはこの計画を指示し、2003年2月、住宅パートナーシップ憲章にサインした。

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