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2008.02.13

東方旅行(039)1988年1月7日(木)アスワンからルクソールへ

 冬休みが長すぎたせいで、とうとう東方旅行の日付を追い抜いてしまいました。ほんとうに時は疲れを知らない子供(古いね!)のようです。さて久しぶりに旅行アルバムの虫干しをしなければ。

 とりあえず20年前にタイムトリップ。1月7日はなにか特別な日だっけ?Remember the time・・・. 一日としては長旅であった。ホテルのおやじに相談して、スペシャル・タクシーを呼んでもらった。アスワンからルクソールという長征である。240キロメートルの行程。60£也。途中でコム・オンボ、エドフ、エスナに止まって、それぞれ50分(正確な数字は忘れた)待機してもらい、ぼくは神殿を見学する、という契約である。約束の時間にはきっちりタクシーに戻るのだが、運ちゃんはせかすせかす。

 古い宗教建築には共通していえるのだが、本来の姿と、遺構とはまったく違う。もともと宗教建築はまったくバーチャル・リアリティの建築であり、色鮮やかな彫刻、レリーフ、壁画、などによって彼岸の世界をもたらす。しかし時がたってこれらの装飾が色あせると、構造体が露出する。それは構造、空間の骨格をはっきり示す、別の価値観をもたらす。それは建築的な価値観ともいえる。しかしそれは本来のものではない。エジプトでもそうなのだが、圧倒的な物質の力のまえに古代人とは別の幻想を見てしまうのである。

 コム・オンボにはセベク(Sebek:頭がワニになった男神、プトレマイオス朝時代にギリシア神話のヘリオスと同一視される)とハロエリス(Haroeris:ハヤブサ頭の男神でホルスの地域名)の神殿。紀元前145年~後14年。二神のために、入口、至聖所が左右に並ぶ。中央にアプローチがないのでなにかうっとうしい。珍しい形式である。しかも周歩廊も二重である。

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 エドフにはホルス神殿(紀元前237年~57年)。至聖所をとりかこむブロックを、さらに周歩廊がとりかこむ。儀式行列がなされるためである。棕櫚などの形をしたさまざまな様式の柱頭が華やか。厳格で死と彼岸を連想させる建築でありながら豪華である。

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 エスナの神殿は遺構といっても、ほとんど残っていないぞ。・・・とはいってもここだけ見ればすごい遺跡だろうが、今日三つ目となるとね。見過ぎに注意しましょう。

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 そしてルクソールに到着。さよなら、運転手のお兄さん!駅にいってルクソールからカイロまでの切符を予約する。4.5£也。ホテルの部屋も確保。Hotek El Asalem。一泊3£。でもひどい部屋。ほこりだらけで、クモの巣も。さすがに夜になって部屋を変えてもらった。今度は5£。トリプルを独り占めである。ここも汚い部屋だが、ともかくも息ができる。でも明日はまた部屋を変えよう。少し高くとも心安らかになれる部屋に。

 今日は盛りだくさんである。宿を確保して荷物をあずけると、残り時間でカルナック見学である。いわずとしれたアメン・ラー神殿とコンス神殿。段階をおって建設されながら、構成原理が一貫しており、統一性をしっかり保った複合的な神殿である。そうした場合では、壁で囲まれた部屋がたくさんならんでも大建築という雰囲気はしない。ここで偉大さを示しているのは、ひたすら柱、柱、柱・・・である。多柱室。歴史上いくつかの印象的な多柱室が建設された。アメン・ラー神殿(1530-323BC)のものは、柱が膨らみ、空間を圧倒している顕著な例である。アメンは太陽神、もともとここテーベ地方の豊饒神。アブシンベルにもアメンは祭られているが、ここが本拠である。

  多柱室は中心軸の上が高くなって、ハイサイド・ライトとなっている。これは教会堂の身廊のようなので、クリアストーリーなどとも呼ばれる。おそらく、暗い室内に光がさまざまなニュアンスをもって導かれる印象的な光景があったはずである。

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 これにたいしてコンス神殿(コンスは月神)は、小規模で、バランスがよい。でも光がはるか上から降りてくるといった感激はないだろうね。

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・・・でも今日は見すぎだね。いや満腹。朝昼晩(それにおやつまで)ステーキいただいてどうするのかね?

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