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2007.07.06

ロレーヌ地域圏メス市の皇帝街が世界遺産に?

 WEB上で文化遺産についての情報提供はどこが充実しているかを探している途中である。今回はフランスのテレビ局「フランス2」のサイトである。過去3カ月分の内容がリストアップされていた。
 そのなかで個人的興味を引いたのが「メス:皇帝街がユネスコの遺産に?」である。メスはフランスだがドイツに隣接したロレーヌ地域圏の首府である。人口12万4000人。もともとは神聖ローマ帝国領であったが、長い歴史のなかでフランス領であったりドイツ領であったりを繰り返している。現在、建築家坂茂らがポンピドゥーセンター分館を建設している。

 記事を抄訳をしてみよう。なお写真はメス駅外観とホール。いずれも2000年に私が撮影した。外観写真では遠景に給水タワーが見える。

070707metz_gare_ex_2  「メス駅街区のユネスコ世界遺産への登録が市長より提案されるであろう。」
 「市長ジャン=マリ・ロシュは、いわゆる「皇帝」街の登録をユネスコに申請するよう、文化相に提案するであろう。この地区は19世紀よりドイツ人を含む世界的な建築家が、160ヘクタールの広がりのなかに、いわゆる「都市計画」概念が成立する以前に、「都市芸術 art urbain」(土居注:この場合artとはいわゆるfine artではなく、技術、ノウハウなど広い意味をもっている)を展開していた。」
 「帝国」地区は都心に隣接したさら地であった。ドイツ人建築家コンラート・ヴァーンは「この新しい都市の要素は美的であり、都市全体と一貫した関係をもつ」よう配慮した。こう説明するのは美術史家クリスチャンヌ・ピニョン=フェレ。その著『メス:1848-1918年』は申請書の添付書籍となる。彼女は「都市の舞台芸術なのですよ。駅がカテドラルのように構成の中心となり、近くの給水タワーは天守閣のようなものです」と説明する。」
070707metxz_gare_in_3   「・・・建築家ルートヴィヒ・ベッチャーの郵便局もこの全体とよく調和している・・・」
 「フォシュ大通りは「カイザー・ヴィルヘルム・リンク」(皇帝ヴィルヘルム大通り、ウィーンのリンク・シュトラセにちなむ)の一部となっている・・・・この大通りが都市計画事業であって、そこに「ユーゲントスティル」(注:ドイツのアールヌーボー)の建物が多くつくられた・・・・」
 「この「皇帝」街はドイツ的とみなされ、第二次世界大戦ののちはメスの人びとはそれを拒否していた。文化次官パトリック・ティェルは「この街区はユニークだ。つまりグローバルな都市計画の時期の代表例だから。住居、娯楽、教育、宗教、交通通信といった生活の要求を満たすすべての施設がある・・・。改築も取り壊しもなく例外的によく保存されている・・・」

 メス市は個人的に興味を引く都市のひとつである。数年前に一度見学したことがあるが、たしかにドイツ的雰囲気とフランス的雰囲気が併存していた。引用からもわかるように、ひとつの都市のなかにフランス的な部分とドイツ的な部分がある。今回、フランス都市としてのメスが、戦争の傷を乗り越えて、ドイツ人が計画した街区を評価しようというものである。

 なおほかのヘッドラインとしては:
・プラハの橋、650周年記念の祭典。
・マルセイユに新石器時代の遺跡
・タージマハールの白大理石が大気汚染により黄ばみはじめている。
・ニーム:古代のモザイク発掘。
・100の歴史的地区が気象変化により危機にさらされている・・・・
・第24回目の「ヨーロッパ遺産の日」は9月15日と16日。修復にかんする職業が紹介される・・・
など多数。

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