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2007.06.30

ブルターニュ建築大学の新校舎----パトリック・ベルジェ設計

L’Ecole Nationale Supérieure d’Architecture de Bretagne, Patrick Berger

この建築学校は2005年で創立100周年だった。ということは地方大学としては相当初期に属する。フランスではパリに一極集中していたが、分校制になったのが1968年だから建築教育の地方分権化はそれより早いことになる。ブルターニュではすくなくとも20世紀初頭から、地域主義的な建築の運動があったから、そのなかでこの建築学校が果たした役割を創造することは建設的であろう。

ちなみに私の勤務する九州では、戦後になってはじめて建築学科が設立された。建築が文化として都市的社会的介入として理解されるためには、やはり地域のなかで建築教育がなされ造形や空間の理念を継承していかなければならないことは、個人的な体験からも明らかである。いくつかの出版物が示しているように、レンヌ市あるいはブルターニュの建築史が書かれているし、また建築遺産集成が構築されている。そうした文化インフラがつよく存在して、はじめて地域主義の主張も意味があるのであろう。

入口の校名がブルトン語で書かれているのが印象的である。

古い建物の裏に、川に面してゆるやかにカーブする校舎と、新旧建物をつなぐ部分が吹き抜けの学生ホールとしてカフェやラウンジとなっている。

Img_2388

新校舎はいわゆるシトロエン住宅断面の吹き抜けアトリエを横に連ねたもので、設計教育にふさわしい空間の型についてはフランス人の信念は揺るがないようだ。

新築部分は、木の外装による簡素なもので、川の水と、緑とによく調和している。アトリエは内部のアクティビティが主役であるべきで、あとは包容力のある外皮であるだけでいい。そういうことが率直に語られている。ベルジェの作品としては、集合住宅よりも、パリのアンドレ=シトロエン公園にある対になった巨大な温室が格段に優れている。意図してミニマリズムを目指すべき建築家ではないか。

Img_2373

敷地の場所は建築家の責任ではない。この建築大学は、レンヌ市内のオシュ広場ちかくのキャンパスからも、郊外のキャンパスからも離れて孤立している。600人の学生からなる小規模大学だが、雰囲気はよい。よい意味でのセクト的連帯も必要なのであろう。

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